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デジタルネイティブという問題

映画・テレビ・IT
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デジタルネイティブというのは、生まれたときからIT環境下にある若い世代を指す言葉ですが、私は非常に問題のある言葉だと思っています。なぜなら、その字面が若者はITスキルが高いという幻想を振りまくからです。これは上の世代をミスリードする有害なものだと思います。以下で詳しく考えます。

単なるスマホ世代にすぎない

現在世間で使われているデジタルネイティブという言葉は、かつての全共闘世代や新人類といった言葉と同様、新しい世代に貼られた単なるレッテルであり、いわばマスコミ用語です。ただ、言葉に悪いインパクトがありすぎて、おかしなイメージを抱きやすくなっています。

新人類も大げさすぎる言葉ですが、大げさすぎるがゆえにネタであることが伝わりやすくなっています。何が新しいかも言っていませんから、要するに新世代というのを当時のバブリーな言語感覚で言い換えたに過ぎません。よく言えば新しい感覚を持った世代、悪く言えば話の通じないやつら、というくらいの軽い意味であることは、当時のコンセンサスとしてあったように思います。

デジタルネイティブの場合、適度に大げさな言葉に微妙な具体性がくっついて、たちの悪いことになっている気がします。「ネイティブ」は「生まれつきの」という意味ですから、新人類の「人類」と似ていますが、それよりもかなり控えめで現実的な表現です。「デジタル」は「アナログ」の対義語ですから、新人類の「新」に通じるものがありますが、それよりも具体的です。「デジタル」はIT全般をイメージさせます。したがって、デジタルネイティブは一般に「IT全般に幼い頃から慣れ親しみ、それを扱うスキルを自然に身につけた世代」というイメージで捉えられています。しかし、そんな事があり得るのでしょうか。

私の周りの10代・20代は、デジタルネイティブのイメージとは程遠い感じがします。彼(女)らはスマホという道具を使うことには慣れ親しんでいますが、PCやインターネットに強いわけではありません。デジタルネイティブではなくスマホ世代と言うほうがよほどしっくりきます。

スキルは学ばないと身につかない

私が出会ったある大学生は「PCは文字が細かくて苦手」だと言っていました。私からすればスマホの方がよほど「細かい」感じがするのですが、慣れていなくて使いづらいということを彼なりにそう表現したのでしょう。

最近の大学生がPCを使わない、使えないというのは、たまに話題となります。エビデンスの乏しい印象論で、はたして昔のの大学生がそこまでPCを使いこなしていたかも疑問ですが、これだけスマホで多くのことができるようになれば、スマホで済むことをわざわざPCでやらなくなるのは当然です。必要ないスキルは身につきません。それは若者の能力や努力とはまったく別の問題です。

また、別のある学生は、向かい合って話す二人の人物をビデオカメラで撮る際、二人を左右均等に配置して画面に収めるヨコの構図以外撮影しませんでした。映画やドラマでよく見る、一方の後ろ姿をナメてもう一方のバストショットを撮るという、いわゆるタテ構図をまったく思いつかなかったのです。

これは、スキルは自然には身につかないという一例だと思います。その学生は他の多くの学生と同様に、スマホで日常的に写真や動画を撮影していましたが、普段あまり映画やドラマを見ないということでした。

デジタル化で撮影が手軽になったといっても、目の前の現実を四角いフレームで切り取るという基本は変わっていません。構図のパターンを覚えるのは、その基本中の基本です。そういう知識ですら、学ぶことなく身につくことはないのです。映画やドラマに興味を持って、製作者の目線で見ることで自分で学ぶか、本を読んだり講義を受けたりして他人から学ぶか、そのどちらかしかありません。

デジタルネイティブに死を!

デジタルネイティブはミレニアル世代と同じで、世代をざっくり一括りにして語るときの中身のないレッテル、空虚な言葉です。それだけなら特に害もないのですが、微妙な具体性があるためにレッテルを貼られた世代に幻想をまとわせ、上の世代に誤解を与えている側面が否定できません。

それどころか、なんとなく響きがかっこいいからとか、プレゼンの趣旨に都合がいいからという理由で、誤解や拡大解釈を承知で使う場合も多いように思います。これは誤解される若者にとって迷惑であるばかりでなく、世間をミスリードし、世代間のディスコミュニケーションや断絶を煽る行為です。

若いからといって「わかるだろう」「できるだろう」というバイアスに満ちた態度をとられるのは、「若いのに生意気だ」とディスられるのと、気持ちの上では変わりないと思います。

ITに関する知識・スキルは、世代差より個人差のほうが大きいと思います。「若い人はスマホを使ったコミュニケーションが得意だ」くらいならいいのですが、「若い人はIT全般のスキルが高い」となると妄想に近いものがあります。生まれつきスキルの高い人はいませんし、必要のないスキルを身につけようと思う人もいません。また、学んで獲得できるスキルにも個人差があるのは当然です。

ですから、わたしたちはデジタルネイティブという言葉を、マルチメディアやユビキタスと同じ「死語の世界」へ一刻も早く送り込むべきだと思います。自然に死語となるのを待つのではなく、意図的に死刑宣告すべきなのです。

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