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カット割りの基本とは何か

撮影用ボールド YouTube動画制作
この記事は約5分で読めます。

今回取り上げるのは、NHK公式YouTubeチャンネルの動画「一見、悪徳に見えて、ただジョギングを勧めているだけの男 」です。天下のNHKにもの申すのはちょっと気後れするのですが、この動画、カット割りのマズさがコントの面白さを削いでしまっていると思います。

一見、悪徳に見えて、ただジョギングを勧めているだけの男

コントはすごく面白い

- YouTube
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2021年9月12日追記

「一見、悪徳に見えて、ただジョギングを勧めているだけの男」の動画が削除されてしまったようなので、代わりに「一見、悪徳に見えて、ただ貯金を勧めているだけの男」のリンクを貼っておきます(埋め込み不可なので)。

「ジョギング」が「貯金」になっているだけで、コントのフォーマットや動画の撮影方法は同じです。

エントリの最後に、ノーカットで一発撮りされた「一見、悪徳に見えて、ただ手洗いを勧めているだけの男」の動画も引用しておきましたので、最後までお読みいただき、比較していただければ幸いです。

このコント、おすすめ動画に上がってきたのでたまたま見たのですが、すごく面白かったです。健全なジョギングを胡散臭く勧めるというアイディアもいいのですが、なによりシソンヌじろうさんの役作りと演技が素晴らしいと思います。

ただ、冒頭に書いた通り、動画のカット割りにとても違和感を覚えました。その違和感が、コントの面白さを何割か削いでしまっていると思います。こんなカット割りをするくらいなら、正面に置いたカメラでの一発撮りのほうが、コントの邪魔にならない分マシだと思います。

何が悪いのか

このコントは、視聴者(ライブでは観客)を「相手役」に見立てて演じるタイプのコントです。視聴者は自分が勧誘されている体で、シソンヌじろうさんの演技に「いるいるこういう人」とか「でも勧め勧めるてるのジョギングじゃん」とかツッコミながら楽しむわけです。

ですから、このコントを楽しむ最良の位置は正面、つまりシソンヌじろうさんの目線の先です。別の言い方をすれば、シソンヌじろうさんが想定している「相手役」の位置で見るのが、このコントのいちばん贅沢な見方です。

したがって、このコントを動画にする場合は、カメラは基本的に正面に置くべきだということになります。シソンヌじろうさんの立場で言えば、カメラ目線で演技するのが最も効果的ということです。

しかしながら、この動画で頻繁にインサートされるシソンヌじろうさんのアップは、ナナメ前からのものです。つまり、アップになる度にシソンヌじろうさんの目線は視聴者から外れてしまうということです。

シソンヌじろうさんの、胡散臭いのに説得力がある目ヂカラを楽しんでいた視聴者は、ナナメからのアップがインサートされる度に「ジャマすんな!」という気持ちになってしまうのではないでしょうか。

なぜこうなってしまったのか

このアップをインサートした理由として考えられるのは、だいたい以下の2つでしょう。

  • カット割りしないと視聴者は飽きてしまうと考えているから
  • メイクや表情をアップを見せたいから

どれも演出意図として間違ってはいないと思います。しかし、実際の撮影や編集は被写体に合わせて選択されるべきです。この動画のカット割りは、結果としてこのコントにふさわしいものにはなっていないと私は思います。

カット割りには正しい理由が必要

そもそも、カット割りは絶対にしなければならないものではありません。カット割りをする必要がなければ、ワンカットで見せればいいのです。では、カット割りが必要なのはどんな場合でしょうか。それは2つに分類できます。

  • 被写体が動くとき(物理的理由がある場合)
  • 見せ方を変えたいとき(演出的理由がある場合)

まず大事なのは、被写体の動きを考えることです。被写体が動かなければ、カメラの位置を変える必要はありませんから、カット割りも必要ありません。カット割りが必要になるのは被写体が動くときです。被写体が動くときは、その動きをしっかり見せるにはどうしたらいいかを考えてカット割りします。

被写体が動かなくても、見せ方を変えたいときはカットを切り替えます。つまり演出的理由でのカット割りです。上の項に書いた「視聴者が飽きてしまう」「アップを見せたい」という理由は、いずれも演出的理由でのカット割りです。

私は、カット割りは物理的理由をベースにすべきだと思っています。そうすれば少なくとも、被写体の魅力をカット割りでダメにしてしまうようなことは起こりません。

大切なのは「写っているもの」ですから、それを第一に考えなければなりません。「見せ方」が前面に出てしまっては本末転倒です。そうならないために、作る側は被写体をよく理解する必要があります。被写体の動きをよく見てカット割りするのは、その第一歩です。

どうするのが正解か

「一見、悪徳に見えて、ただジョギングを勧めているだけの男 」というコントは、ほとんどすべてが座ったまま演じられますから、物理的にはカット割りの必要がありません。おかしなカット割りをするくらいなら、カメラ目線の正面からのショットだけのほうがマシです。

ただ、シソンヌじろうさんのメイクや表情をアップで見せたいという気持ちはわかります。ですから、演出的なカット割りを否定するわけではありません。

繰り返しますが、このコントは芝居の性質から考えれば、目線が外れる位置にカメラを置くべきではありません。ですから、もし演出的にアップをインサートするならば、引きと同じ位置からのものにすべきだと思います。イメージとしては、編集のうまいYouTuberがやっているような編集です。

しかしこれは、実際にやってみないとわかりません。インサートするのがカメラ目線をキープしたままのアップであっても、やはりうるさく感じてしまうかもしれません。もしそうなら、原点に立ち返るべきだと思います。「カット割りしないと視聴者は飽きてしまう」というのは、間違いではないと思いますが、かなり傲慢な考え方でもあると思います。

追記:一見、悪徳に見えて、ただ手洗いを勧めているだけの男

同じフォーマットのコントを正面からノーカットで一発撮りした動画がアップされましたので、引用しておきます。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。オンラインでワークショップやコーチングもやっています。お気軽にお問い合わせください。

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