単純化することで見える法則
動画編集は複雑な作業です。
だからこそ、あえて単純化することで見えてくる「法則」があります。
法則というのは「モノサシ」と言い換えてもいいでしょう。
モノサシを持てば、複雑なものが理解しやすくなります。
そもそも動画編集とは?
動画(映像・ビデオ)編集とは、作業的にいえば、素材動画から必要に応じて切り出したカットを、順番を考えながらつないでいくことです。
動画編集の2パターン
その「つなぎ方」に注目すると、2つのパターンに分けることができます。
すなわち、以下のabのパターンです。
- a) 内容が共通するカットをつなぐ
- b) 内容が異なるカットをつなぐ
この2つのパターンには、それぞれ「性質」があり、それを意識することで、自分がおこなっている編集を客観的に再検討することが可能になります。
2パターンの具体例
aパターンの例
- 「ある人物の全身」のカットに「同一人物の顔のアップ」のカットをつなぐ場合
- 「ビルの外観」のカットに「そのビルにあるオフィス」のカットをつなぐ場合
など
bパターンの例
- 「しゃべっている人物のアップ」のカットに「それを聞いている相手」のカットをつなぐ場合
- 「ビル」のカットに「森」のカットをつなぐ場合
など
2パターン それぞれの性質
厳密に分類すると判別がつきにくい場合も出てきますが、だいたいがこの2パターンのどちらかに当てはまります。
それぞれの「性質」ですが、私は以下のように考えています。
- a) 説明的。したがって冗長になりやすい。
- b) 表現的。したがって散漫になりやすい。
実戦での応用
理想をいえば、ab両方のつなぎを適切にバランスよく使いたいところです。しかし動画の内容によっては、そううまくもいきません。
aパターンが多い場合
例えば、講演の記録ビデオを短くダイジェスト編集するときなどは、つなぎはaばかりになります。
講演内容をよく吟味してうまく摘んだとしても、画的にはどうしても退屈になります。
そういう場合に「2バターン」を意識していれば、bを導入することで冗長さをある程度回避できることに気づきます。
この場合のbパターンとは、例えば客席のカットや資料映像、もし素材がなければ小見出しタイトルなどになるでしょう。
bパターンが多い場合
一方で、たくさんの出し物を紹介するような動画では、つなぎはbが多くなります。
このパターンだと画がどんどん変わるので目は引くでしょうが、それだけでは結局何の印象も残さない動画になりがちです。
そこでaパターンを導入します。「推し」の出し物に少し時間を割く構成にし、その良さを最大限説明します。
まとめ
動画編集を2パターンに単純化して、そのバランスを意識することは、自分がおこなった編集の「推敲」に役立つと思います。
私は、映画やテレビ番組を見るとき、このパターンを意識しながら見ることで、編集の「リズム感」を養いました。